「富士山登山鉄道構想に反対する会」を立ち上げました!

富士登拝する修験者たち
富士山信仰の拠点北口本宮冨士浅間神社

富士山を愛する多くの人々が反対しています。

『富士吉田市民にとって、「富士山」は、暮らしの中心にいつもどっしりと構えていて、自然と手を合わせたくなる「感謝するべき」ものであり、人生の節目にいつも見守ってくれている心の支えであると言っても過言ではありません。そんな私たちにとって、富士山を、生活に恵みをもたらす「観光資源」だと、単純に割り切って捉えることはできません。「これ以上富士山を傷つけてほしくない」「富士山をお金もうけの道具に使ってほしくない」 目先の利益にとらわれず、100年先を見据え、先人が守り抜いてきた、「世界文化遺産 富士山」を、しっかりと次の世代にバトンタッチすることが富士吉田市の使命であると考えています。』
富士吉田市の堀内茂市長のことばです。
山梨県が進めている富士山登山鉄道構想には富士吉田市だけが反対しているかのような報道がなされていることに私たちは大きな危機感を持っています。
富士吉田市が孤軍奮闘しているのではなく、私たち富士吉田市民や富士五湖に暮らす多くの人たちが、霊峰富士の尊厳を大きく踏みにじる富士山登山鉄道構想に強く反対しています。それだけではなく、たくさんの山梨県民、日本国民も反対なのではないでしょうか?

「これ以上富士山を傷つけてほしくない」という思いを持つ私たちは、今こそ動き出さなければ!と、富士山を守り次の世代に引き継いでいくためにたくさんの人たちとつながりを持ち反対の運動の輪を広げ、構想の白紙撤回を求めていくことを決意し「富士山登山鉄道に反対する会」を立ち上げました。

設立趣意書.pdf はこちらをクリック

「富士山登山鉄道構想」反対署名にご協力ください!

※紙での署名をご希望の方は こちらをクリック

富士山の環境から考える

森林を伐採して開通した富士スバルライン
環境への負荷が少ないEVバス

1964年に開通した、ふもとと標高2,300mの五合目を結ぶ自動車道「富士スバルライン」は工事を始めた時からたくさんの原生林を枯らしてしまう影響を周辺の環境に及ぼし、利用台数が増えることで排気ガスや交通渋滞の問題も起きています。その対策として夏山シーズン中にはマイカー規制が行われ一般車両の通行を禁止して環境への負荷軽減に取り組んでいて、加えてマイカー規制時だけでなくそれ以外の期間もシャトルバスの一部には技術革新が進んだ電気バスがすでに順調に運行しています。多額の費用をかけ大規模な工事を行って登山鉄道を作るまでもなく、上高地のようにマイカー規制を拡大させ、1年間を通して一般車両の通行を禁止して環境に大きな負荷をかけない電気バスだけを走らせることで、昭和の時代のような大規模工事をすることなく排ガス問題と交通渋滞が解消され富士山の環境を守ることができます。山梨県はスバルライン上に線路を引けば大規模な工事は必要なく鉄道を通せると言っていますが、五合目の駅舎が地下になるならそこまでにトンネルを作ったり、車両基地の建設が必要になったりすることは間違いありません。

富士山の自然から考える

雪代の被害を受けた富士スバルライン
雪代の被害を受けた大沢休憩所

富士山は活火山です。表面は噴火の時に噴出した細かい砂(スコリア)で覆われています。大雨が降ればスバルライン上に砂礫が流出する箇所が多くありますが、LRTの線路に砂礫が流れ込むと脱線の危険性が出るため、土砂の流入を防ぐために多くの箇所に流入防止の工事をしなければいけません。また、冬の間にたくさん降る雪と細かい砂つぶ、春先に降る雨が混じり合って大きな雪崩がひんぱんに起きます(これを地元では雪代(ゆきしろ)と言います)。2021年3月にはとても大きな雪崩が起きて富士スバルライン4ヶ所に土砂が流れ込んで通行できなくなりました。更にこの4月9日にも大規模なスラッシュ雪崩が発生し、大きな被害を受けました。山梨県の調査では雪崩が起きて道路をふさいでしまう危険箇所が14ヶ所あることがわかっています。登山鉄道で線路を敷いてしまうと雪崩が発生した時には復旧に大変な時間とコストがかかってしまうリスクがあります。道路であれば、雪崩が危険なときに一時通行止めにすれば大きな被害が出ないような場所でも、鉄道施設を守るためには大規模な洞門が沢山必要になります。またもし万が一地震や噴火により電気が止まってしまったり、線路に数センチの段差ができるだけで登山鉄道は自走することができなくなり五合目の避難者を移送させることができなくなってしまいます。その一方で自走する電気バスであれば滝沢林道へ回避するなど避難時に柔軟で有効な移送手段になります。厳しい自然の中では、鉄道より自動車のほうが強いのは火を見るよりも明らかです。

富士山の持続的な楽しみ方から考える

ふもとから眺めて楽しむ(忠霊塔展望デッキ)
ふもとから五合目までを楽しむ(吉田口登山道)

富士山が世界遺産に登録されてから10年が経ちました。2023年の夏山シーズンは登山者の増加や「弾丸登山」など無謀な登山が大きな話題となりました。2024年のシーズンには入山者の上限設定や弾丸登山抑制のためのゲートによる入山者の制限などの対策が取られ、改善の期待が持たれています。大規模なハードの工事をせずとも、ソフト的な規制をすることで、登山者だけでなく観光客の数を適正に保つこともできるはずです。また、なぜ富士山に開山期間があるのでしょうか?富士山は神聖な山であり、元々立ち入るべきところではない場所であり、夏山の期間だけ登拝が許されてきたのが信仰登山の形です。夏以外の期間には、麓から富士山を望み、遥拝したのが世界文化遺産のテーマでもある、「信仰の対象と芸術の源泉」となった所以です。もちろん、登山家の方々が冬の山に登ることを禁止するのは登山文化の観点からも行き過ぎた対応ではありますが、冬の間に観光客を五合目まで大量輸送し、-20度、風速50mにも達するような場所で、大量のエネルギーを使って暖房して観光させることが、来訪者にとって良いことであるとは到底思えません。また、それが富士山の価値を高めることになるどころか、世界文化遺産としての価値を貶めることになるように思えます。夏は山頂を目指し、空気の澄む冬には麓から秀麗な富士山を拝む、それがもっとも持続的な観光の姿なのでないでしょうか。

山梨県の構想私たちの考え
1.自動車から登山鉄道への転換
・LRTを軸に、鉄道を整備
・既存の道路を活用
・許可車両以外の通行を規制
・架線レス等先進技術の導入
1.技術的に不可能に近い構想
・LRTは平地走行向けの技術 長距離登坂は困難 下山時のブレーキシステムにも課題
・道路+線路となり雪崩時の復旧の負担が大きい
・ワイヤレス給電が困難だと発表があったように吟味された内容になってない これからの検討にさらに多くの費用がかかることが想定され最終的に実現できない場合、その損失は計り知れない
2.富士山の顕著な普遍的価値の保全と望ましい土地利用における付加価値向上
・来訪者数を一定水準に抑制
・鉄道ならではの上質な付加価値の提供
・富士山や地域への還元
2.鉄道を前提とした構想
・来訪者数抑制と環境配慮はEVバスでも可能
・鉄道建設は初期投資額が過大になる需給に応じた投資は不可能なため負の遺産となるリスクも
3.富士山の抱える課題解決への貢献
・ライフライン整備を検討
・信仰の対象にふさわしい五合目空間の在り方検討
・四季を通じた来訪者の分散
3.更なる課題と代替案
・道路+線路+ライフラインとなり、頻繁に発生する雪崩災害後の復旧が困難また復旧されるまで緊急時の避難路が分断されてしまう
・大規模な車両基地や変電設備等、新たな人工物を沿線・五合目に建設する必要があり、景観を阻害する可能性が高い
・冬季から融雪期に発生する雪崩や土砂災害は予測できない 通年観光となった場合、車両等に直撃する可能性も考えられる
・埋め戻す→土砂の大量搬入=大規模開発 環境保全の観点で言えば無いものを新たに作るという発想は環境負荷が大きい 富士山を傷つけることに変わりない また大規模開発は外来種の侵入など既存の環境を害する可能性も考えられる
・EVバスは自走可能であるため緊急時の対応もしやすく開発も不要 また来訪者分散はマイカー規制(上高地方式)

以上のことから、
私たちは『「富士登山鉄道構想」は、
①技術的に難しく実現は不可能
②景観を大きく改変する開発が必須
③代替案が検討されておらず鉄道建設を前提としている』と判断しています

「富士山登山鉄道構想」反対署名にご協力ください!

※紙での署名をご希望の方は こちらをクリック または下記までメールでお問い合わせください。

【賛同会員の募集】

「富士山登山鉄道に反対する会」の活動主旨、活動内容にご賛同くださる方々を募集します
(応募先)support@fujisantetsudohantai.com
(応募方法)氏名、住所(県と市町村のみでも結構です)、メールアドレスを上記メールアドレスにお送りください

【ご寄付のお願い】

「富士山登山鉄道に反対する会」にご賛同くださる方々からの寄付を募っています。
継続性のある活動ができますようにみなさまからのご支援をお願いいたします。
(振込先)
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(口座名)富士山登山鉄道に反対する会(フジサントザンテツドウニハンタイスルカイ)
(店番)501
(口座番号)普通預金 2063001
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